ヨシカワ(株式会社ヨシカワ)は、新潟県燕市の台所道具メーカーです。作っているのは、料理の主役になる道具ではありません。急須、茶筒、蒸し器、親子鍋。どれも毎日繰り返される作業を静かに引き受ける道具で、特別な場面ではなく普段の台所に置かれることを前提に作られています。産地は燕三条。江戸時代の和釘づくりに始まり、金属加工の技術を積み重ねてきた地域です。
燕三条という土地
燕三条は、新潟県の燕市と三条市をあわせて呼ぶ言い方です。もともとは農家の副業として始まった和釘づくりが土台にあり、そこから刃物、鎚起銅器、そして明治以降は金属洋食器へと仕事が広がりました。金属の板を絞る、磨く、接合するといった工程が小さな工場ごとに分かれていて、その集まりがひとつの産地を形づくっています。
当店で扱う柳宗理のステンレス道具も、この地域で作られています。同じ土地で、デザイナーの名前を前に出す道具と、メーカー名だけで黙々と使われる道具の両方が作られている。ヨシカワは後者の代表です。
18-8、SUS304、18-0:数字の読み方
ステンレスの商品には必ず数字が付いています。意味が分かると、選ぶときの基準になります。
- 18-8:クロムを約18%、ニッケルを約8%含むという意味です。錆びにくく、水回りの道具に向いています。
- SUS304:この組成の代表的な鋼種の記号で、実質的に18-8ステンレスと同じものを指します。
- 18-0:ニッケルを含まない種類です。磁石がつくのでIHに反応しますが、耐食性は18-8にやや劣ります。
部位で使い分けることもあります。フライパン用蒸しプレートは、食材がのるプレートが18-8、フタが18-0、ツマミがフェノール樹脂、座板が66ナイロンという構成です。必要なところに必要な材料を当てるという、実用品らしい考え方です。
お茶の道具:「翠」の急須と茶筒
シリーズ「翠(すい)」は、飾りを削ったオールステンレスの茶器です。急須はツル手タイプ、満水500ml、約270g。持ち手に籐巻きを施してあり、金属だけでは出ない温度が加わっています。取り外せるステンレス茶こし付きで、落としても割れません。ただし直火、IH、電子レンジ、食器洗い機は使えません。籐巻きの部分は水に浸けないでください。
茶筒は径7.2×高11.6cm、満水400ml、約190g。本体もフタも中フタも18-8ステンレスで、光と湿気と匂いを遠ざけます。緑茶やほうじ茶だけでなく、紅茶やハーブティーの保存にも使えます。
蒸す道具と、一人前の鍋
フリーサイズ蒸し器は、花びら状に開いて鍋の内径に合わせるタイプです。適合するのは内径16〜24cmの鍋。使わないときはたためば全長140mmほどに収まります。専用の蒸し器を場所を取って置く必要がない、というのがこの道具の価値です。
親子鍋16cmは、親子丼やカツ丼のための小さな片手鍋。ハンドルが縦向きなので、卵でとじた具をご飯の上へすべらせられます。満水450ml、本体は18-8ステンレス、ハンドルは天然木。蓋は付属せず、別売のYH8969が対応します。手洗いです。
よくある質問
翠のステンレス急須は直火やIHで使えますか。
使えません。直火、IH、電子レンジ、食器洗い機はいずれも不可です。お湯を注いで使う急須としてお使いください。また籐巻きの部分は水に浸けず、水気はすぐに拭き取ってください。
親子鍋に蓋は付きますか。
付属しません。対応する蓋は別売のYH8969です。
蒸し器はどの鍋に合いますか。
フリーサイズ蒸し器(YJ2794)は内径16〜24cmの鍋用です。もっと大きい鍋には18〜28cm用のジャンボサイズ(YJ2793)が別商品としてあります。フライパンを使いたい場合は、内径24〜26cm向けの蒸しプレート(YJ2611)が別にあります。


